小説

ニッポンの皇子さま その8

「初めまして。枢木スザク様。」「ブリタニアへようこそ。日本の皇子様。」  興奮と期待が入り交じった淡いすみれ色の瞳と、紅潮させた頬で出迎えてくれた2人の姫を前に、枢木スザクは戸惑っていた。 アリエスの離宮に到着したスザク一行を、ヴィ家の執事…

ニッポンの皇子さま その7

 通信に出た父、枢木ゲンブは上機嫌だった。「おう。スザク。良かったな、大歓迎してもらえているようじゃないか。」「ええ。予想外すぎて、ついていけないんですが。」「ブリタニアが日本を対等な交渉相手と見てくれているなら、喜ばしい事だ。」「父さん。…

ニッポンの皇子さま その6

 射し込んで来る柔らかな朝の光と、小鳥のさえずりで、枢木スザクは目を覚ました。「ここは……」 自宅とは全く違う光景。白い天井、白い壁、自身が潜り込んでいるそれも、布団ではなくスプリングが程よく利いたベッドだ。 ああ、そうか……ここはブリタニ…

ニッポンの皇子さま その5

「私の、弟の友人になって貰えないだろうか。」 国賓待遇で受け入れると言うシュナイゼルが提示した事柄に、スザクは三度呆然とした。 なんだかこの人と話していると、ペースが乱れるというか振り回されっぱなしだ。 スザクは、首相の息子として、または六…

ニッポンの皇子さま その4

 動揺をごまかすために紅茶を口に運んだ。が、口に含んだだけで、カップの中身とは全く異なる味が口に広がった。 咄嗟に、カップを倒して気をそらし、吐き出したものを吸ったハンカチでこぼしたものを拭き取ったが、目の前の男にはお見通しだろう…… 不安…

Lonely soul 

復活したルルーシュとスザク、そしてC.C.の穏やかな日常は、ひとりの風来坊の出現で、撃ち砕かれた… 「Present」派生ストリー。ゲーム「ロストカラーズ」のキャラクター「ライ」参戦のR18 文。とはいえ、親シリーズであるPresent のテイストはしっかり残っています。

special day

遮光カーテンの隙間から、柔らかな朝の日差しが室内を薄明るく照らす。ドア越しに、パタパタとせわしなく動き回る足音と、美味しそうな香が鼻孔をくすぐる。様々な刺激に、眠りから徐々に覚醒する。まどろみの中、室内に誰かが入ってくる気配を感じながらも、…