Extra care - 7/7

「まったく2人とも……!」
自分のために用意されている客間に飛び込むように入って、アルフォンスは嘆息する。
とはいえ、ちょっとからかわれただけで顔に出てしまうとは、修行が足りないと肩を落とす。
本と共に届いた包みを開く。シャオメイを象ったチョコレートに笑顔がこぼれた。
チョコレートに添えられているカードを開く。

「Happy Valentine!
私の王子様に愛を込めて。」

メイ……相変わらずだな。
何年月日が流れようと、自分を慕い続けてくれる皇女殿下に目じりを下げる。
「いつもありがとう。僕の皇女様。」
今日貰ったプレゼントの中で、これが一番うれしい。
偽らざる自分の気持ちだ。
いつも、まっすぐ気持ちをぶつけて来てくれる、貴い立場の女性。
だが、彼女が背負っているものを引き受けるには、自分では力不足だ。
「ごめんね……」
嬉しさと切なさが混ざったなんとも言えない感情を抱え、東の空へ小さく囁くアルフォンスだった。

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