Lonely soul  - 5/22

「これは………」
合集国ブリタニア代表、ナナリー・ヴィ・ブリタニアの要請を受けてやって来た黒の騎士団ブリタニア支部所属ジノ・ヴァインベルグは、つい最近友人と訪れた家の惨状に言葉を失った。
「11ミリ携行型機関銃……こんなものを民家に向けて撃つとは……」
めり込んでいた壁から取り出された銃弾を手に、顔をしかめる。
現場検証を部下に任せ、ジノは2階に続く階段を上ると1室に入った。
ベッドの上にC.C.が横たえられ、その場にルルーシュが座っている。
「ルルーシュ。」
ジノの呼びかけに、ルルーシュはじろりと視線を送ると、すぐにベッドのC.C.に戻す。
何も知らぬ者が見れば、非業の死を遂げた彼女を悼んで付き添っているように見える。が、ジノは、そうでない事を知っている。
ルルーシュは待っているのだ。魔女が目を覚ますのを……
すでに、銃弾による傷はすっかり消えてしまっている。肌の血色も戻りつつあった。
「犯人に心当たりがあるのか……?」
「ああ……俺のPCに、恐らくそうだろうと思われる人物の画像データがある。
1ヶ月程前から、頻繁にこの周囲の森に現れるようになった。近くの町で、スザクに声をかけて来た男だ。」
「おい。それって……ストーカーじゃ……」
警察に届けなかったのかと尋ねて、ジノは、しまったと顔に手をやった。
射殺さんばかりの視線に晒されたからだ。
「俺たちが、一般人のように警察に保護を頼めると……?」
「すまん。失言だ。」
「……もしこの男が犯人なら、単純にストーカーとは言いがたいな。
あいつは、スザクの事をナイトオブゼロと知って襲撃し、連れ去った事になる。」
「なん……だと?」
ルルーシュの言葉にジノの顔が厳しくなる。
「スザクに、ナイトオブゼロかと声をかけてきたそうだ。
そのとき俺はいなかったが……こいつは一緒だったからな。
何が起きたのか、こいつが喋るだろう。」
と、ベッドの上の少女を見下ろして薄く笑う。
C.C.が意識を取り戻して、自分たちを見上げていた。

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