Lonely soul  - 2/22

公邸地下にある駐車スペースにやって来たルルーシュは、車のキーロックを解除すると、家で待つスザクに電話する。
「スザクか。俺だ。──ああ。2人分のIDを取得した。
これで俺たちは正式にアランとヴァーミリオンだ。……そうだな…変な感じだ。」
電話の向こうのスザクの話を受けて小さく笑う。
「そっちはどうだ?何か変わった事は?」
『あるよ……』
「!!───なにがあった。」
『君がいない。』
くすくす笑うスザクに、強ばらせていた顔を緩める。
「───懐かしいな……その言い方。」
『そう?君がいなくて困っているんだ。』
「なんだ?」
『C.C.が来ていて、君のピザが無いと、おかんむりなんだ。
僕が作るって言っているんだけど、僕のじゃ生地の食感が違うとか言ってて……』
「そんな我が儘聞いてやる事ないぞ。ピザが食べられるだけ感謝しろと言って食べさせろ。」
『食べた上でごねているんだ……』
その話に、持っている携帯端末を握りつぶしそうになる。
「食い意地の張った奴め……!」
『ピザがないならワインとつまみが欲しいと言っているから、貯蔵しているベーコンとチーズを出していいかな。』
「ワインはハウスワインにしておけよ。何かつまみたいなら、鼻でもつまんでろと言えばいい。」
『なに、それ。』
電話の向こうでスザクが声を上げて笑う。
「早く帰るから。ピザ魔女の相手、よろしく頼むよ。」
『了解。気をつけて帰ってね。』
「お前も気をつけろよ。」
『うん。』
心配げに話しかけるルルーシュに、重々しく答える。
通信を切ったルルーシュは、小さく息を吐くと車に乗り込んだ。

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