Lonely soul  - 19/22

スザク、ライ、C.C.が円陣を組み手を繋いで立つ。
すると、辺りは眩い光に包まれた。
初めは小さかったその光は、やがて3人を飲み込むように大きくなり、ついには光の柱となって天へと駆け昇っていく。
見守っていたルルーシュは、その光の柱の中を栗色の巻き毛をなびかせた少女がライに舞い降り、その頬に口づけし小さな光の粒となって解けていくのを見た。
やがて、光の柱は徐々に消えてゆき、辺りは静寂が支配した。
「スザクッ!」
ゆっくりと倒れる体を後ろから受け止める。
スザクを抱き上げたルルーシュは、その体につけられた痕に顔を歪め、ライを睨む。
ライは茫然とし、涙を流していた。
「フランソワーズ……」
「全て思いだしたか。」
「ああ……時の皇帝に斬首された私は、この塔の地下深くで息を吹き返した。
が、その時にはフランソワーズという少女をとても愛していた事と、ライと言う名前しか憶えていなかった。
私が記憶を取り戻すには、きっとフランソワーズが必要なのだと思い込み、彼女と似た容姿の者を探し求めて生きて来た。」
「だから、スザクに執着したのか。」
「それだけじゃない。私は、確かに彼に恋していた。
だから余計ナイトオブゼロ、枢木スザクに執着したんだ。」
ライの告白に、ルルーシュの顔が険しくなる。
「だが…それも所詮私の片想いだと思い知らされた……
どんなに求めても彼は私を受け入れず、ずっとお前を呼んでいた。」
ルルーシュは、腕の中のスザクを見る。安心しきった寝顔に頬を緩めた。
が、次の瞬間には刺すような鋭い視線で、ライを睨みつけた。
「ライール・ドゥ・ブリタニア。お前が、我が祖先であったとしても、スザクにした行為は断じて許さん。例え、スザクが許してもこの償いはしてもらう。」
「彼から手を引き、二度度近づくなと……?」
ルルーシュに、ライも睨み返してくる。
「いいや。スザクはお前を側に置くつもりらしい。だから、それは認めてやる。
お前が生まれつき持っているその能力を調べる事に協力しろ。
それが、お前が俺たちにできる償いだ。」
「───私を側に………」
「仕方ないだろう。俺は、スザクに尽くすと誓ったのだから。
こいつが望む事をすると、決めているんだ。」
唖然とするライに、C.C.が笑いかける。
「スザクに感謝するんだな。でなければ、2,3回は殺されているぞ。お前。」
「スザクになら殺されてもいいが、こいつに殺されるのは納得いかない。」
「なにぃ!」
スザクを挟んで対峙する2人に、周りの者から苦笑が漏れる。
「さすが同じ一族。好みのタイプも同じという事か。」
「きっと、それがスザクだったから……」
アーニャの言葉に、納得するジノとジェレミアであった。

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