chapter.4
かつての帝都。ペンドラゴンがあった場所よリ南に数キロメートル。
岩と草ばかりの荒涼とした大地にそれはあった。
「ここか……?」
既に廃墟と言うべき建物の前に立つルルーシュは、傍らの魔女に確認する。
「ああ。間違いない。」
「ここは一体……かなり古い建物だと言う事は解るが……」
同行しているジノが辺りを見回し、その傍らでアーニャがカメラのシャッターを切る。
「記録……」
「相変わらずその習慣は続けているんだな。」
「後でブログに載せる。」
アーニャの答えに、ジノは苦笑した。
「ここは恐らく、今で言う刑務所…もしくは強制収容所のようなものだろう。」
一見要塞のようにも見える石塀を見ながら、ルルーシュの要請でやって来たジェレミが言う。
「刑務所?」
「見ろ。塀の上部に槍の先端のようなものが付いている。」
青緑に錆び付いたそれを指し示す彼に、納得して頷く。
「───中世のものだな……その頃の建築様式の特徴が出ている。」
ルルーシュは、石造りのそれに彫刻された模様を指で辿って呟いた。
「その頃のものなら、ここは刑務所兼収容所だろう。斬首の塔と言ってもいい。」
崩れ落ちた塀の向こうに今もそびえ立つ塔を見て、ルルーシュは言葉を続ける。
「斬首?」
「ああ。ここに収容された者は、時の権力者に反抗した者、あるいは、疫病のため隔離された者がその殆どだろう。
その頃、ブリタニアでも魔女狩りが横行していたからな。
『魔女』とは、単に異教徒をさすだけでは無く、むしろその多くが、皇帝や領主の締め付けに耐えきれず、禁を犯した者だ。
また、ブリタニアの歴史は権力闘争の歴史と言ってもいい。帝位争いに破れた者が、ここに送られその首をはねられたのだろうな。」
「……という事は、ここは………」
「建物の中は、屍の山だろうな。」
引きつった顔で、C.C.が言った。ジノの顔も、青ざめている。
「C.C.。この建物のどこにスザクがいるか解るか?」
「きっと地下だろう。湿気があって冷えると言っていたからな。」
「なら……上を破壊しても、スザクに危険は無いな。」
ルルーシュがニヤリと笑った。
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