Lonely soul  - 10/22

「ギアスを使うコード保持者だと!?」
ルルーシュが驚愕の声を上げる。
「ああ。私も、あんな奴は初めて見た。」
「───嚮団の実験体か……?」
「いや。そんなはずは無い。ギアス能力者をつくり出す事はできても、コードそのものの研究は進んでいなかった。
そもそも、コードを持つ人間がもうひとりいたなら、シャルルもV.V.も私に固執する必要は無かったはずだ。」
C.C.の話に、信じられないという顔をしているルルーシュとは別に、ジノはスザクの行方を尋ねる。
「わからん……その直後、あいつはスザクの銃を奪って発砲してきたからな。私は邪魔だそうだ。
やっと手に入れた宝石だ。もう誰にも渡さないと言ってな───」
「宝石……?」
「スザクの瞳のことじゃないのか?
町で会ったときも、やたらとスザクの目を見ていたからな。」
「確かに、スザクの瞳は鮮やかなグリーンだが……それを宝石に例えるとは……」
結構ロマンチストな奴だな。と、ジノがうそぶく。
「そんな事はどうでもいい!」
ルルーシュが吠える。
「C.C.。奴の居場所が解るか?」
「あの男のか?何故私が……」
「以前お前は、コードとギアスに関わるものではないナナリーの事は解らないと言ったな。」
「あのときの事か……」
それは、フレイヤをペンドラゴンに落とされた直後、シュナイゼルの通信でナナリーの生存を知ったときの事だった。
死んだと思っていた妹が生きていて、しかも自分の敵だと言った事に動揺したルルーシュが、C.C.を叱責したのだ。
何故解らなかったのか……と。
「という事は、コードとギアスに関わるものなら、解るという事だろう。」
勝ち誇った顔のルルーシュに嘆息する。
「これだけ長く生きて来た私が、今日まで気づかなかった相手だぞ。
まあ…できるだけやってみよう……あいつが見つけられなくても、スザクを探す事はできるかもしれん。スザクが、私の呼びかけに応えて来ればな……」
「頼む。スザクを見つけ出してくれ……」
懇願するルルーシュに、C.C.は黙って頷いた。

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